【近ごろ都に流行るもの】リメーク服 アイデア勝負の装い
2009/04/07
服の買い控えが目立つ不景気のさなか、手持ちの服や安価な服をオシャレに再生させるリメークが注目されている。3月26日、東京・銀座に出店した大手手芸
店「ユザワヤ」を訪れると、中央にリメークコーナーが展開されていた。約100点の実例を展示。シンプルなシャツをパールビーズで飾った作品に奥様族が群
がり、「隣のユニクロで買って、縫いつければいいのね」などと盛り上がっている。「お手軽に楽しめそうなものを用意しました」と舩渡義郎執行役員。レース
やリボンなど定番材料のほか最も売れているのが「クリスタルシート」。花からドクロまでデザインも大きさも多種多様な130種(200~5000円、29
日まで半額)が並び、服にアイロンで接着するだけの手軽さだ。「20~30代OLなどに人気。5日間で1000枚は売れています」と舩渡さん。間もなく専
用のコンシェルジュを配置し、高まるリメーク需要に応えるという。
手軽だがセンスが問われるリメーク。貧乏臭さが漂う服など着たくない。そんな不安もよぎるなか、平成16年に発行の「かわいいクチュールリメーク」(文
化出版局)がオシャレなお手本として人気が広がり、4刷2万部と版を重ね、3月第2弾の「かっこいいクチュールリメーク」も出版。記念の展覧会が新宿
「ビームスジャパン」で21日まで開かれている。
著者はリメークブランド「レ・ブリカ・ブラック」主宰・デザイナーの山瀬公(こう)子さん。ビンテージスカーフで制作した自らのヒット商品「スカーフス
カート」の作り方や、ハンカチを利用したキャミソール、カシミヤセーターの穴を大胆にカムフラージュするアップリケなど、粋な工夫が満載だ。
ガーリッシュテイストの第1弾に対して、第2弾は男物のシャツやスエットをリメークしたドレスをトップモデルの冨永愛さんが身にまとい、クールな世界を
表現。奇想天外なアイデアで作り方も大胆に切ったりはったり
。洋裁が得意でなくても、細かいことは気にせずやってみようと思わせる。
「リメークはリサイクルではなくクリエート。思いっきりおおらかに楽しんでほしい。本をヒントにそれぞれの方がもっと立派な服、もっと崩した服を作っていただけたらいいな」と山瀬さん。
長年住んだアメリカでヨーロッパの古着を収集。昭和57年に青山で開いた店で第一次古着ブームをつくった。だが、「いくら古い物が好きでもシルエットな
ど現代に合わない部分も出てくる。古い魅力を生かした新しい服を」と、平成9年にリメークブランドを立ち上げた。「ファッション業界の主流の大量生産に、
あらがいたい気分もずっとありますね」
原点は子供時代に見た、中原淳一のファッション誌「それいゆ」という。「良質な既製服がまだ普及していない時代、個性的に装うための工夫が満載でした。
ロングヘアを切らずにボブに見せる方法とか、かなり無理な工夫も(笑)。一方、現代人はオシャレを与えられることに慣れすぎている。服を自分に引き寄せる
手間と創造力(リメーク)でよりスペシャルになるし、古くて良い物が長く使える」と山瀬さん。「昔からお母さんたちがやってきた生活の知恵。普遍的なこと
ですよね」
服とはオシャレとは何か? 不況が原点に立ち返るきっかけを与えている。(重松明子)
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